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ナイジェリアでWEKO3

2024.04.05

我々が西・中央アフリカ研究教育ネットワーク(WACREN)の活動に協力していることは以前からお伝えしてきましたが(アフリカ遠征記)、COVID-19のために久しく遠隔でのやり取りが続いていました。最近は状況がよくなってきたことから、主要メンバーに日本に来てもらったりしながら(NII-WACREN MOU Workshop)、徐々に通常モードへと移行してきました。今度は、我々が訪問する番です。ナイジェリアの政府機関が集まる都市アブジャでの大きなイベントに参加して、WEKO3を使ったナショナルリポジトリ構築プロジェクトを、一歩先に進めてきました。

日本のパスポートは世界最強と言われながらも、ナイジェリアに行くにはビザが必要です。今回はアライバルビザでの渡航を計画していたのですが、渡航前日になっても事前審査の結果が届かず、手書きの暫定書類を用意してもらうといったドタバタ劇でした。ヒースローでの乗り継ぎの間には、正式な書類も届き、なんとか無事に入国できました。こうやって結局うまくいくのですが、特に開発国とのやりとりでは「大丈夫!」の感覚がかなり違っていて、ヤキモキすることが多くあります。これも、鍛錬と思いつつ楽しむのがいいですね。

システム的な側面は、遠隔でも何とかなります。その上で、前回日本に来て頂いたことで、一週間みっちり技術的なノウハウも押さえてもらうことができました。対して利用者コミュニティのことを考えると、遠隔では足りません。プロジェクトを前進させ、利用者を巻き込んでいくためには、同じ空間で言葉を伝えながら、理解し理解される信頼関係を作ることが大切です。それは、古今東西変わらないんだなと思います。今回の主役のWEKO3開発リーダーの正治さんは、それを朝から晩までやってくれ、大変だったと思います。彼のおかげで、コミュニティ育成のための良い素地が構築できたことが最大の収穫です。

今回の訪問でも、多くの方々と意見を交換し、我々も学ぶことがありましたし、ナイジェリアのナショナルリポジトリが動き出す空気を感じました。ここからの主なプレイヤーは、ローカルなコミュニティです。どのように成長していくか楽しみです。また機会があれば、この場でその発展ぶりを紹介したいと思います。

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ロンドンで合流していざアブジャへ
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ナイジェリアWEKO3を説明する正治さん

(山地 一禎)