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人文学社会科学における利用推進

近年、研究データや論文のオープンアクセスが推奨される一方で、デジタルコンテンツの権利の明確化やプライバシー情報の保護が重要となってきております。人間の営みを対象としている人文社会科学分野では、ライセンスや機密、プライバシー情報のため公開が難しい研究コンテンツが多く存在します。
RCOSでは、このように公開が難しいコンテンツを取り扱う方法について研究し、NII研究データ基盤を用いて研究コンテンツを共有する機能を開発しております。


人文学社会科学データを利活用したい

人文社会科学の研究データを利活用するためには、研究データを公開している機関を調べ、各機関のリポジトリでニーズにあった研究データを検索する必要があります。各機関の研究データを一元的に検索する環境として、人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業の委託のもと人文学・社会科学総合データカタログ(JDCat)linkを開発しました。
JDCatは2021年7月の試験公開を経て、2021年11月から一般公開しております。詳細検索、ファセット検索を用いて日本の人文社会科学分野の機関の研究データを検索できます。JDCatに収録された一部のデータは、コード付帯機能と連携しており、JDCatで検索したデータをすぐにRやPythonで分析することができます。


条件を満たした利用者にのみ研究コンテンツを提供したい

研究データの中には公開による共有が望ましくないコンテンツがあります。医学や社会科学の分野では、調査対象者のプライバシー保護の観点から研究データを誰でもアクセスできるようには公開せず、条件を満たした利用者にのみデータを提供しています。このような研究コンテンツの提供のことは制限公開/制限共有とよばれ、世界の研究データリポジトリの約半数がこのようなコンテンツ提供に対応しています。
本サービスでは、公開基盤を使って様々な学術分野に対応した制限公開を開発し、JGSSDDSlinkにて試験的に運用しております。この機能を用いることで、データの利用条件を設定し、その利用条件に同意した利用者にのみデータを提供したり、機密・プライバシー情報を含む研究データを、条件を満たした利用者にのみ提供することができます。


論文のエビデンスデータを査読者にのみ提供したい

近年、論文執筆の際に用いたエビデンスデータを、リポジトリを通じて査読者に提供することを論文投稿の条件とするジャーナルが増えています。査読中のエビデンスデータは公開が難しいコンテンツなので、査読者などの特定の匿名のユーザのみ非公開状態のコンテンツにアクセスできる仕組みが必要となっております。
本サービスでは、公開基盤を使って論文のエビデンスデータを査読者に提供する機能を開発しております。この機能を用いることで、エビデンスデータの登録者が非公開状態の研究データ登録ページから、エビデンスデータへのシークレットURLリンクを生成することができます。このシークレットURLリンクを査読者に配布することで、査読者がリポジトリからエビデンスデータを入手することができます。

人文学社会科学における利用推進-1

2024年度より、本機能の実証実験を行います。関心のある機関様は、mailにご連絡ください。


特定のメンバーとのみコンテンツを共有したい

公的資金を受けた研究成果として、研究データの書誌情報の公開は行いたいが、著作権や機密などの関係上、特定のメンバーのみアクセスできるようにしなければならない場合があります。
本サービスでは、公開基盤を使って特定のメンバー上でコンテンツを共有する機能を開発しております。この機能を利用したい研究者は、図書館員などの運用者にアクセスを許可するユーザのアカウントを発行してもらい、これらのアカウントに対してアクセス権限を設定します。アカウントを発行されたメンバーはランディングページにある申請ボタンをクリックすることで、そのデータの利用規約を同意した後に研究データをダウンロードすることができます。なお、アクセス権限がないユーザがクリックした場合、エラーとなりダウンロードできません。

人文学社会科学における利用推進-2

2024年度より、本機能の実証実験を行います。関心のある機関様は、mailにご連絡ください。