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NII研究データ基盤(NII Research Data Cloud)の概要

研究データのライフサイクルを支える基盤として、2017年からNII研究データ基盤(NII Research Data Cloud:NII RDC)の開発を開始しました。NII RDCは、研究データの管理基盤(GakuNin RDM)、公開基盤(WEKO3)、検索基盤(CiNii Research)から構成され、2021年から本格運用を開始しています。

RCOSによるサービスの概要

更なる利活用を促進するために、NII RDCは継続的な機能拡充に取り組んでいます。3つの基盤を有機的に結合していくためのデータガバナンス機能、データ駆動型研究推進への核となる機能を提供するセキュア解析機能、オープンサイエンスの発展に不可欠なFAIR準拠のデータ公開を実現していくためのデータキュレーション機能といった重層的な機能の開発を進めています。こうした基盤のポテンシャルを研究の過程の中で最大限活用してもらうためには、研究者や研究支援者のリテラシーの向上も不可欠であり、そのための人材育成基盤の準備も進めています。我々の準備した基盤は、情報リテラシーの高い理工学系だけではなく、人文学や社会科学の研究者にも活用してもらえるような実践にも注力して活動を展開しています。

RCOSによるサービスの概要

GakuNin RDM(管理基盤)

GakuNin RDMは、研究プロジェクト実施中に、個人の研究者あるいは研究グループが研究データや関連の資料を管理するための研究データ管理基盤です。既存のストレージや研究ソフトウェアと連携し、クローズドな空間で、研究プロジェクトに関わるファイルのバージョン管理や、メンバー内でのアクセスコントロールができます。研究公正への対応としての研究証跡を記録する機能や、ファイルを保存する機能を有します。

WEKO3(公開基盤)

WEKO3は、研究者が公開すると判断した研究データや関連の資料を公開するためのデータ公開基盤です。論文も含めたデータを登録、公開するために必要な機能を有しています。GakuNin-RDMとの連携により、研究成果を簡便な操作で研究者の所属する機関リポジトリに公開することができます。オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)と国立情報学研究所(NII)が共同で提供する機関リポジトリのクラウドサービス(JAIRO-Cloud)を利用する機関は、クラウドサービスとしてWEKO3の機能を利用いただけます。

CiNii Research(検索基盤)

CiNii Research(検索基盤)は日本最大規模の学術情報検索サービスです。公開基盤に登録された研究成果や論文情報のみならず、図書、研究データ、それらの成果を生み出した研究者、そして研究プロジェクトの情報などを包括して探索することが可能です。これらの学術情報は内部で大規模なナレッジグラフを形成し、研究者の多様な発見手段に対応して、軽快な動作と深い洞察を生んでいきます。これまでNIIが提供してきた学術情報ナビゲータCiNiiと並び、学術活動の全体像を探索する機能を提供しています。

データ解析機能

データ解析機能は、研究データを解析するプログラムとその実行環境をパッケージ化し、他の研究者や学生が簡単に再利用できるようにするサービスです。パッケージをGakuNin RDMに保存してグループ内で共有したり、WEKO3やGitHubに保存して他の研究者に提供したりできます。これにより、先行研究の解析手法を容易に再現し、その上に立って発展的な研究をすぐに始めることができるようになります。

人材育成基盤

オープンサイエンスを効果的に推進するためには、システムだけではなく研究データ管理人材を如何に育成するかが重要です。学認LMSは、教材コンテンツ共有プラットフォームとして、各機関で学べる研究データ管理教材を提供するとともに、機関ごとに学習者の受講状況を確認できる学習環境を提供する教育基盤です。学認LMSで取り扱う教材は、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が作成した教材「研究データ管理サービスの設計と実践」「研究者のための研究データマネジメント」をもとに動画コンテンツとして再編成しています。

データガバナンス機能

NII DMP System(仮)は、研究データ管理の計画と執行、モニタリングを組織的に実現するための研究データガバナンス基盤です。データガバナンスとは、研究データを組織の知的資産としていかに生産し、保管し、利用していくかを統制(計画し、執行し、モニタリング)することです。研究者の計画計画に応じてNII RDCの他基盤を使った研究データ環境を自動的にセットアップすることを可能にします。また、組織が研究データ管理状況をモニタリングし、コンプライアンスチェックに活かすこともできます。

データキュレーション機能

RCOSで検討中のキュレーション機能は、GakuNin RDMやWEKO3とも連携しながら、大学共同利用機関や研究機関に属する分野の専門キュレータと大学図書館などの支援員の人的ネットワーク基盤を提供することで、データキュレーションの外部連携機能を実現します。ネットワーク参加機関は、自機関に適切なキュレータがいない専門分野であっても、本機能を通じてデータキュレーションを実施することが可能になります。これにより、研究者を特に負荷の高いデータ公開業務から解放し、研究に専念できる環境を作り出すことが可能になります。

オープンアクセス推進機能

オープンアクセス推進機能は、所属研究者による論文の情報とその論文を採録した学術誌の著作権規定(アーカイビングポリシー)を併せて機関リポジトリへ通知するものです。この通知により、機関リポジトリ担当者は、所属研究者による論文が機関リポジトリでオープンアクセス化できるものなのかどうかを容易に確認でき、オープンアクセスを省力的に推進できるようになります。

人文学社会科学における利用推進

近年、研究データや論文のオープンアクセスが推奨される一方で、デジタルコンテンツの権利の明確化やプライバシ情報の保護が重要となってきております。人間の営みを対象としている人文社会科学分野では、ライセンスや機密、プライバシ情報のため公開が難しい研究コンテンツが多く存在します。