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第1回北陸地区学術データ基盤セミナー開催報告

2024.03.08

2024年2月20日、金沢大学角間キャンパスで「第1回北陸地区学術データ基盤セミナー~コアファシリティ連携から研究データエコシステム構築を目指して~」が開催されました。


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国立情報学研究所は、2022年度から、理化学研究所、東京大学、名古屋大学、大阪大学とともに文科省の受託事業「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の実施に取り組んでいます。2023年度からは同事業の一環として、地域の機関連携を推進する「研究データ管理スタートアップ支援事業」が始まり、名古屋大学と金沢大学が採択されました。先行する名古屋大学が2023年12月に「研究データエコシステム東海コンソーシアム」を設立したのに続き、金沢大学が、北陸地区での研究データエコシステムの構築を展開するための構想を紹介するために企画・開催したのが本セミナーです。

全国から250名近い申込みがあり、関心の高さを感じました。当日参加は、オンサイト46名、オンライン視聴175名でした。

文科省の藤澤亘氏による基調講演では、研究データエコ事業だけでなく、このセミナーの直前に公表された「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」を含め、情報科学技術分野に係る施策の動向を多角的に紹介いただきました。

金沢大学の報告からは、研究データ管理に必要な基盤システム・ポリシー・体制等の整備が着実に進んでいるという印象を受けました。2022年に制定した「学術データマネジメントポリシー」をNII版準拠に改訂するとともに、実施細則やガイドラインの作成も予定しているそうです。まずは学内で確立した「金沢大学モデル」を、次年度以降、地域へ展開していく構想とのことでした。

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(金沢大学・笠原禎也教授)
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(金沢大学・高田良宏准教授)


また、北陸地区では、従来、コアファシリティ連携をベースとしたネットワーク「北陸ファシリテイ・技術人材ネットワーク」を整備しており、これを研究データエコシステムの構築に発展させたいという説明がありました。大阪大学、北陸先端科学技術大学院大学からは、コアファシリティから生成される研究データの管理と利活用について、現状と課題の報告があり、NII研究データ基盤に対する期待やご要望もいただきました。当日の資料・動画は、追って本セミナーのページに公開する予定です。

NIIと金沢大学は、研究データエコシステム北陸地区コンソーシアムの設立に向けて、引き続き、協力していきたいと考えています。どうぞご期待ください。

(江川 和子)