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eResearch Australasia 2021 参加報告

2021.11.05

2021年10月11日~15日の5日間、eResearch Australasia 2021 conferenceがオンラインで開催されました。
eResearch Australasiaは、2007年からAustralian eResearch Organisations (AeRO) が主催しているカンファレンスです。ここ数年は毎年RCOSからメンバーが派遣され、情報収集や発表を行ってきています。

過去のRCOS日誌での発表:
eResearch Australasia 2020 参加報告
eResearch Australasia 2019 参加報告
eResearch Australasia 2018 参加報告

昨年同様にオンライン開催となりましたが、時差が2時間のみのため大変快適に聴講できました。 今回は、聴講しましたセッションのうち執筆者が特に興味をひかれた取り組み "The ARDC Institutional Underpinnings program" についてご紹介したいと思います。

同プロジェクトはARDC (Australian Research Data Commons)が進める "The National Data Assets initiative" のプログラムの1つで、オーストラリアの25大学が参加する大型プロジェクトです。
18か月の時限付きプロジェクトで、機関におけるRDM方針策定、効率的なRDM実施のための要素抽出、意思決定プロセスの分析などを合同で行っており、合同ワークショップで出てきたキー要素(※)別に小さく課題を解決していく手法を取っているとのことです。

※キー要素(Key elements):
ポリシー/カルチャーの変化/サポート/トレーニングとガイダンス/データ管理計画/センシティブデータ/アクティブなデータ管理/共有/出版とオープンリサーチ/データ保持と廃棄

また、プロジェクトの進め方として "Co-design process" を強調されており、
・ 標準を目指さない
・ 違いと必要性を許容する
・ 将来的な拡張性を意識する
・ 技術的にフリーで、現在の強みを活かす
フレームワーク作成を目標に据えている、とのことです。
日本でも類似の取り組みとしてAXIES-JPCOAR合同でのRDM事例形成プロジェクトが動いていますが、機関の規模が異なる中で課題解決に結び付けていく手法は参考になる点も多く、今後も注視していきたいところです。

RDM事例形成プロジェクトページ

(南山 泰之)