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Amazon、OERサイトを提供開始
すでに2月に発表になっていたようなのでご存じの方も多いのかもしれませんが、アマゾンがOERに参入しているというニュースを見かけたので、情報提供します。
アマゾン社がAmazon Inspireというオープンエデュケーショナルリソーシス(OER)の無償サイトを提供開始しています。
まだβ版ですが、以下からアクセス可能です。現段階では主に初等中等教育機関を対象としていますが、高等教育系の新聞でも、高等教育に拡張するのは時間の問題であろうといったコメントが出されています。
なお無償ではありますが、OERの登録・閲覧には学校名等も登録してID/PWを得る必要があるので、私は中身を確認できていません。
この動きは、米国の教科書代が高騰していることへの対処となる見込みです。米国では学部教育の一般的な教科書が平均175ドル、年間学生が教科書代についやす費用は1200ドルです。教科書代があまりにも高いので、200ドル超えを阻止しようといったかけ声もあるぐらいです。
近年はOpen Stax Collegeなどのオープン教科書を提供するサイトもあり、またMERLOTなどのOERの取り組みもあることから、このAmazonのサイトがどれだけ利用されるようになるかは、Amazonの戦略次第のところがあります。しかしOERは、検索のしづらさが一般的に課題となっているため、Amazonの方が、検索のしやすさやレコメンデーション機能など、使い勝手の良いサイトとなるのではないかといった声も聞かれます。
アマゾン社のこのOERサイトに関する収益モデルは未定で、アマゾン関係者は、OER教材から関連する教科書や本などの情報を提示することで、その購買を期待するといった案もあるとの発言がなされています。これに対して教育関係者の間では、(アマゾンの真の狙いが見えないだけに)警戒する声が聞かれます。
[EDWEEK Market Brief] (2016/2/14)
Amazon Education to Launch New Website for Open Education Resources
[Inside HigherED] (2016/2/16)
Amazon OER?
船守美穂