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フロリダ大学リポジトリとScience Directとの連携

フロリダ大学がエルゼビア社と提携し、同大学リポジトリにScience Directからのメタデータを自動フィードするパイロット・プロジェクトを開始しました。
論文のメタデータはScience DirectのAPIから自動フィードされ、当初リポジトリに7本しか収録されていなかった論文が、現在は3.1万本も確認可能です。
http://ufdc.ufl.edu/ielsevier

メタデータのみなので、リポジトリに本文があればそれをオープンで見ることが出来ますが、ない場合は、Science Directの方から(有料で)見る必要があります。
ただし同大学は次の段階としては、これらメタデータから、著者最終稿あるいはエンバーゴ後の印刷版を見ることができるようにしたいそうです。

多くの助成機関がOAを義務化し、大学がこれに対応しなければいけない一方、研究者によるポジトリへの登録が進まないため、このような思い切った手に出たそうです。

フロリダ大学は、同様の方式を他の出版社とも実施予定です。

なおエルゼビア社Science DirectのこのAPIは、どの大学でも無償で利用可能です。
https://www.elsevier.com/solutions/sciencedirect/support/institutional-repository

[Inside Higher Ed] (2016.5.25)
Opening Up the Repository

なかなか大胆な策ですねえ。リポジトリはもともとは出版社の高額な購読料への対抗措置として生まれたグリーンOAの道なのに、リポジトリで検索しても(現状では)出版社のサイトに誘導されてしまう訳ですから。

しかし一方で、研究者に何を言っても、リポジトリに論文を毎回アップロードするといった面倒な作業を徹底させることができないのは現実です。このため、リポジトリには現状、検索ニーズが一般的には低い博士論文や紀要等が多く入っており、周りから役に立たないと言われることも多々あります。このような状況を打開するため、メタデータだけとはいえ、大学に所属する研究者の業績が全て入っていて、皆がアクセスしてくれるリポジトリの方が良い、とする同大学図書館関係者の気持ちも分かります。

この記事では、同大学図書館関係者の言葉を借りて、これからはinteroperabilityの時代で、各種のDBが連携され、DBを意識することなく、多様な情報にオールラウンドにアクセスできる時代、としています。

船守美穂