クラウドサービス利用シンポジウム2025
相沢です。2025年3月14日(金)に広島大学東千田キャンパスで開催されたクラウドサービス利用シンポジウムで講演を行いました。
このシンポジウムは広島大学主催の大学等におけるクラウドサービス利用シンポジウム2025のイベントの一つで、他にも研究データエコシステム中国四国コンソーシアムシンポジウム、ハンズオンセミナー、大学DX勉強会が3月14日〜15日の2日間にかけて併催されました。
RCOSは昨年に続いての参加となりました。中国四国コンソーシアムシンポジウムや大学DX勉強会の様子は別の記事にお任せして、ここではクラウドサービス利用シンポジウムの様子をお伝えします。
当日は大学ICT推進協議会(AXIES)クラウド部会が企画した7つの講演の他、前日に行われたハンズオンセミナーの報告が行われました。NIIからはクラウド基盤研究開発センターの大江特任准教授がセミナーを担当し、その報告とMCJ-CloudHubの体験会紹介を行っておりました。
相沢は講演の一番手で、近年報道等でも取り上げられている「データスペース」という概念について、その特徴や日欧の動向を発表しました。
データスペースに関する世界の取り組みは数年前から追いかけており、昨年もデータスペースに関する最大のイベントであるData Spaces Symposiumの様子をこの日記で取り上げました。この記事を書いた当時、まだ「データスペース」という言葉を知っている人は少なかったですが、ここ1年ほどで急速に知名度を得てきたという肌感覚です。講演でも触れましたが、2023年4月に経済産業省がウラノスエコシステムを発表し、2024年10月には経団連が産業データスペース構築を求める政策提言を公表するなど、国内でデータスペースを巡る産官の取り組みが活発になってきた影響かもしれません。
講演では、大容量データのリアルタイム処理や循環型経済への対応などのニーズの中で、異なるプラットフォームの相互接続・相互運用(フェデレーション化)が進展していること、その実例として欧州が共通データスペースの整備に取り組んでいることなどを紹介し、続けてデータスペースの技術要素や研究データ管理に適用し得るユースケースなどを解説しました。特に、コアコンポーネントであるコネクタについては、その機能や特徴をなるべく平易に説明した所存です。資料は公開予定とのことですので、ぜひご一読いただけたら幸いです。
自分の講演のあとは、他の方のご講演を聴講しました。いずれも興味深い内容でしたが、やはり昨今話題の生成AIの開発や業務活用に関する話題が多く取り上げられていました。データスペースのユースケースにはAIの学習用データセットを適切に管理する仕組みなども提案されており、今後益々隆盛するとみられているAIの研究、開発、活用等にどのように貢献できるか、思いを新たにした一日となりました。
(相沢 啓文)
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