OPEN SCIENCE FAIR 2023参加報告
2023年9月25~27日にスペインのマドリードで開催された、OPEN SCIENCE FAIR 2023(OS FAIR 2023)に、オープンサイエンス基盤研究センターの西岡千文助教と学術コンテンツ課研究データ基盤整備チームの佐藤知生職員と共に参加しました。
OS FAIRは、欧州の学術情報基盤を提供するOpenAIREが2年おきに開催するシンポジウムで、今年で4回目の開催です。
「Charting the course: Reimagining open science for next generations(道筋を描く:次世代のオープンサイエンスを再考する)」と題して42か国から382人が集い、オープンサイエンスや学術情報基盤に関する活発な議論がなされました。
1、2日目はピカソのゲルニカを展示するソフィア王妃芸術センターという美術館内のホールで、3日目はAteneo de Madridという築200年を超える文化施設で開催されました。
特に印象的だったのは最初の基調講演でも言及されていた「エコシステム」に関する話です。欧州ではHorizon Europeの大規模ファンドを使い、EOSCと呼ばれる研究データインフラに学術情報を集約して、オープンサイエンスのための基盤づくりを着々と進めています。しかしエコシステムと呼べるような持続性のある学術情報ライフサイクルのための、将来のリソースや海外及び異分野への拡張性の懸念があります。解決策の一つとして、異分野情報の取り込みを実現できるナレッジグラフ形式のデータ構築が示されており、NII RDCでもこのようなモデルは参考になると考えました。
また、NIIでも昨年度より「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」を実施しており、情報基盤を利活用するエコシステムの構築について、このような議論を参考にしながら遂行していきたいと考えています。
・ 公開資料
https://zenodo.org/communities/osfair/?q=&l=list&p=1&s=10&sort=newest
・ 公開動画
https://www.youtube.com/@opensciencefair9814
(大波 純一)
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