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第2回 東海地区 学術データ基盤セミナー開催報告

2023年7月24日、名古屋市内で「第2回東海地区学術データ基盤セミナー」が開催されました。このセミナーは、研究データの管理・公開・利活用のあり方を議論することを目的として、国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センターと名古屋大学学術データ基盤整備部会が企画したもので、昨年の12月に第1回を開催しています。
会場には名古屋大学及び近隣の大学等から、情報基盤関係者、図書館関係者、教員など約30名、オンラインでは全国から約160名の参加がありました。

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はじめに名古屋大学の青木学聡教授から、「5年程前にこのようなイベントを企画すると、殆どが海外の事例を紹介するものであったが、本日は、国立大学から愛媛大学様、私立大学から同志社大学様と、国立・私立からバランスよくご講演を頂けることになり、時代の流れを感じている。参加者の方々も多く、研究データ管理について、多くの大学が真剣に検討を始めている証だと思う」との挨拶がありました。

愛媛大学の小林千悟教授からは、研究データポリシー策定にあたり、AXIES(大学ICT推進協議会)のRDM部会が作成した「大学での研究データ管理に関するアンケート(雛形)」を用いて、機関における研究者の意識と研究データ管理の実施状況の把握を行い、それらの結果を参考にしながら研究データポリシーを策定した経緯の説明がありました。
同志社大学の浦田穣司URAからは、昨年の7月より具体的に研究データポリシー策定に着手し、既に公開されていた6大学の研究データポリシーと、AXIES RDM部会でリリースしている「大学における研究データポリシー策定のためのガイドライン」と「学術機関における研究データ管理に関する提言」を参考にしながらポリシーの策定を実施した説明がありました。

副センター長の込山悠介准教授からは、新しく設立された東海地区のコミュニティと共に、GakuNin RDMの普及策を推進し、研究データから新たな知識の創出へつなげる道筋を示す説明がありました。

最後に、名古屋大学の松原茂樹教授から、東海地域の大学や高専、研究所等と連携し、学術機関におけるオープンサイエンスと研究データマネジメントの推進に関するノウハウやリソースを共有・共用する地域拠点の形成を目的とし、文部科学省の「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の一環として立ち上げた、研究データエコシステム東海コンソーシアムの説明がありました。

尚、本講演資料は、NAGOYA Repository(名古屋大学学術機関リポジトリ)で公開されています。

セミナー終了後には、会場での参加者によって、各大学の現状についての情報共有と、今後の活動についての意見交換が行われました。オープンサイエンス基盤研究センターでは、これからも名古屋大学と協力し、「東海地区学術データ基盤セミナー」を定期的に企画・開催していきたいと考えています。

(平原 孝明)