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JOSS2023報告:研究データプラットフォーム技術セミナー

報告4:研究データプラットフォーム技術セミナー

【背景】
情報技術の発展や計測機器の高度化に伴い、大規模なデータ(ビッグデータ)の生成やデータのストリーミング配信・取得がますます盛んに行われています。オープンサイエンスや研究DXを推進する上で、これらのデータをどう管理・利活用するのかが課題の一つとなります。
本セッションではオープンサイエンスおよび研究DXを推進されている組織で活躍されている研究者より、これらのデータの管理・利活用・ガバナンスという視点でデータ管理に必要なシステムの要件やアイデア、およびシステム・機能の開発・運用事例をご紹介いただきました。

【セッション内容】
はじめに理化学研究所の實本英之先生より、所内における文献大規模データや小規模大量データを転送取り扱う際の課題、およびその課題の解決策となりうる分散データストレージとその適用例について報告がなされました。
次にNIIアーキテクチャ科学研究系/RCOSの藤原より、GakuNin RDMのコード付帯機能について、現在提供中のデータ解析機能、およびその将来構想の一つである計算再現パッケージ機能として報告がなされました。
産業技術総合研究所(産総研)の織田篤嗣先生より、ペタバイトオーダーのデータ量を持つ衛星データを利活用する研究活動とそれらのデータの利活用上の課題および、産総研で運用・利用されているABCIストレージ等のストレージサービスに関する報告がなされました。
RCOSの平木からは、自身の経験に基づくビッグデータの取り扱いにおけるアイデア、およびNII RDCの一機能として開発が進められているデータガバナンス機能が紹介されました。

【総括】
本セッションは、JOSSの中では数少ないデータ基盤技術を議論するためのセッションです。座長であるNIIコンテンツ科学研究系/RCOS込山が、JOSSの黎明期から、研究データ基盤の研究者・技術者のコミュニティの輪を広げるために、継続的に企画応募しているセッションです。今年は特に、ビッグデータやストリーミングデータの先端的な研究DXに取り組まれている先生方にお集まりいただき研究をご紹介、ご議論いただきました。
テーマ設定は、毎年その時流に合わせて変わりますが、今後も技術セミナーを継続していきたいと思います。参加者が増え、技術セミナーがテーマに沿って細分化していけば、より深い議論もできる様になるかと存じますので、今後とも宜しくお願いいたします。

(執筆:平木 俊幸、監修:込山 悠介)