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RCOSメンバーよりごあいさつ:池谷瑠絵

2021.04.23

もしあと10年もして、ウェブでたまたまこの記事が表示されたら、この節COVID-19で、緊急事態宣言で、在宅勤務でといった今当たり前のことを、いったいどれだけ伝えられるのだろうか。と思ったりしますが、そんな状況下で、2021年4月よりオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)に勤務しています。

みなさんはNII(国立情報学研究所)というと、ある程度 "サイバーな" イメージを持たれるのではないでしょうか。セキュリティの問題もあるので、あまり詳しくは書きませんけれども、研究系と事務系をつなぐコミュニケーション・ツールがあったり、何かで困っているメンバーがいたら文字通りリアルタイムに誰かが解決する方法を書き込んでくれたり......と、在宅中心とはいえ実際に勤務してみるとICT(情報通信技術)が「働き方」というもののなかにビルトインされているなということを日々感じます。いや、ほんとうに毎日のことなので、その違いは大きいです。職場も、学校も、ああこんなふうに変わっていくのかな、と少し明るい気持ちになります。

というわけで、まだまだ理解の浅いところではありますが、RCOSは研究(者)や研究機関が、これからこう変わっていくんだという「オープンサイエンス」に取り組むセンターです。そのための研究データの管理、大学等ごとに論文や紀要などの研究成果物を集めたリポジトリ、それらの検索やさまざまな結果出力の実現といった学術基盤構築に、メンバーが奔走しています。そして、私はそのうちユーザとの接点にあたるような部分に貢献できればと考えています。

学術の基盤となるシステムをユーザへ──このような「つなぐ」という機能の実現は、これまで私が行ってきた学術広報や科学コミュニケーションの活動と関係があります。そもそも広報とは、組織や法人を代表し、その内部と外部を「つなぐ」機能を担ってきましたし、科学コミュニケーションとは科学者と市民を「つなぐ」活動に他ならないからです。分野を超えた研究者のつながり、既存の研究データから新たな研究へのつながり、さらには学術と社会を「つなぐ」という機能を、この高度に発達したICT社会で、ウィズ&アフターコロナの時代にどう実現可能にしていくのか。これは相当エキサイティングな課題であり、一日も早くメンバーとともに走れるよう、努めてまいります。

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(池谷 瑠絵)