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UCバークレー、初の女性学長
現バークレーの学長代行兼プロボスト(interim executive vice chancellor and provost)であるCarol T. Christ氏をUC バークレーの次期学長として指名したと、カリフォルニア大学Janet Napolitano総長が、3/13付けで発表をしました。
木曜日に開催される理事会の投票を経て、Carol T. Christ氏(72歳)は、7月1日付でUCバークレーの第11代学長かつ、初の女性学長となります。
Carol T. Christ氏はヴィクトリア朝の文学者であり、1970年にUCバークレーの助教となりました。当時の女性教員比率は3%のみでした。1985年には英語学専攻の専攻長となり、1988年には文学部長、1989年にはプロボスト兼教養学部長となりました。
1994年にChrist氏は副学長兼プロボスト(vice chancellor and provost)となり、その後、executive vice chancellorとなり、女性のなかでも最高のランクの大学執行役となりました。Christ氏は、男女共同参画と多様性について特に特に力を入れていました。
2000年にChrist氏は教育活動に一時期戻りましたが、2002年には全米でも屈指のリベラルアーツカレッジであるスミスカレッジの学長に就任し、2013年まで執務しました。
2015年1月にUCバークレーに戻り、Center for Studies in Higher Education(CSHE)のセンター長となり、翌年5月には現在の学長代行兼プロボストのポストにつきました。
[University of California] (2017.3.13)
UC president announces pick for UC Berkeley chancellor
バークレーの現学長であるDirk氏が辞任の意向を昨年8月に発表してから、ほぼ一年してようやく次期学長が定まったこととなります。Dirk氏が私立大学であるコロンビア大学から来て勝手が分からなかったこと、数々の不祥事を起こしていたことから、学内からの学長選出が模索され、そのようになった訳ですが、数週間前のInside Higher Edの記事ではPaul Alivatos化学教授(57歳)が最有力候補とあり、バークレーの知り合いからもほぼ決定と聞いていたので、私としては少し驚きでした。学長選はどこの大学も分からないものですねえ・・・。
(ちなみに、そのときに読んだ記事がどう検索しても見つからないのですが、これは削除されたのでしょうか・・・?)
UCバークレーにも女性の学長が誕生したというのは喜ばしいことではありますが、Dirks学長が1.5億ドルもの穴を空けてしまった後に就任するのは、相当大変だと思います。トランプ大統領対策もあるでしょうし・・・。
Christ氏は割と年齢も高いので、大丈夫なのかな・・・と思ってしまいます。
なおChrist氏がスミスカレッジからバークレーに戻ってセンター長に就任したCenter for Studies in Higher Educationというのは、とても由緒正しい高等教育研究センターで、学長やプロボスト経験者がセンター長を務めています。例えばかの有名なカリフォルニア・マスター・プラン(高等教育機関を、博士号授与大学(University of California)、修士&学士授与大学(California State University)、コミュニティカレッジに分類し、予算構造等も含め整理した)を考案したClark Kerr学長や、高等教育の発展段階(エリート段階→マス段階→ユニバーサル段階)を示唆したMartin Trow教授などがゆかりの方々です。
Christ氏の前のセンター長であるJudson King氏はカリフォルニア大学のプロボストでもあった方で、日本からも多くの高等教育研究者がお世話になっています。東大で「世界の有力大学の国際化の動向」を調査していたときも、King氏には、バークレーの歴史や予算獲得のメカニズムなどを説明していただき、大変お世話になりました。
Christ氏にも早いうちにご挨拶しなければと思っているうちに、あっという間に学長代行となってしまったので、その機会を逸してしまい残念です。
船守美穂