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データ・リポジトリの経済効果の算出
9月末にUK Data Archive(@エセックス大学)を訪問するにあたり、そこのDirector、Matthew Wollard氏と連絡を取っていたところ、以下の報告書を送って頂きました。
データ・リポジトリの経済効果とインパクトに関する報告書4点です。
- ・ Economic Impact Evaluation of the Economic and Social Data Service
- ・ The Value and Impact of Data Sharing and Curation: A synthesis of three recent studies of UK research data centres
- ・ The Value and Impact of the Archaeology Data Service: A study and methods for enhancing sustainability
- ・ Fear, K.M., 2013, Measuring and Anticipating the Impact of Data Reuse, University of Michigan PhD dissertation
見たところ2つめの報告書が、社会科学、考古学、気象学の分野における報告書を集約したものとなっており(しかも一番短い)、読みやすいです。1つめの報告書は社会科学分野、3つめの報告書は考古学分野でベースの報告書で、2つめの報告書のベースとなっています。 いずれの報告も、同じ研究者が関わり、同じ理論フレームワークで経済効果の評価を試みています。
この経済効果の推定方法、(私の英語力と経済学の知識不足から)よく理解できないのですが、私の読み間違いでなければ、まずデータ・リポジトリの構築コストを評価し、その上でユーザにアンケート調査を行い、年間の利用数や利用の必要性・重要性などについて質問し、最後に、「年間利用料あるいはコンテンツ別の利用料がいくらであれば利用するか」、といった質問をし、これをもとに、データ・リポジトリがどの程度の価値を有していたかを推定しています。最後に、そのように推定された価値と構築コスト(投資)を比較し、データ・リポジトリに十分な効果があったか否かを判断しています。
だいぶこじつけのようにも感じますが、一応結論としては、十分な経済効果があるといった結論となっています。
船守美穂