第4回北陸地区学術データ基盤セミナー
2025年2月19日、第4回北陸地区学術データ基盤セミナー(兼「研究データ管理スタートアップ支援事業」報告会)が開催されました。金沢大学とNIIは、2024年と2023年にも同じ時期に金沢大学角間キャンパスで、研究データ管理に関するセミナーを開催しています。昨年は兼六園で梅の花が咲き始めていたと記憶しているのですが、今年は大寒波襲来で前日から大雪になってしまいました。
当日は、セミナーに先立って、金沢大学とNIIの「包括連携協定」の締結式が行われました。NIIは大学共同利用機関として、全国の大学等と連携・協力して研究と事業を進めていますが、特に現在の喫緊の課題である「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の関係機関とは、順次個別の協定を締結しています。金沢大学との協定では連携協力事項の筆頭に「オープンサイエンスを支える研究データ基盤の整備」が掲げられています。
左から、NII・中野主任学術基盤研究員、NII・黒橋所長、
金沢大学・森本理事(和田学長代理)、金沢大学・笠原学術メディア創成センター長
セミナーでは、金沢大学の笠原学術メディア創成センター長による趣旨説明、NIIの黒橋所長による挨拶に続いて、3つの講演・報告が行われました。NIIの船守美穂准教授からは、海外の大学におけるデジタル研究基盤および支援体制整備の最前線について、豊富な事例調査に基づく紹介がありました。
名古屋大学の松原茂樹教授からは、名古屋大学における取り組み、AXIES-RDM部会の取り組み、各地の研究データコンソーシアムの取り組みなどを振り返り、コンソーシアム間連携など、今後の課題についても言及がありました。松原先生は、大雪の影響で現地会場入りができず、オンライン講演になってしまいましたが、その後の意見交換にも参加いただきました。
金沢大学の笠原学術メディア創成センター長からは、OA加速化事業におけるオープンサイエンスプラットフォーム整備の報告と、データポリシーの実効性を担保する実施細則をまもなく制定予定であるという報告がありました。なお、外向けの宣言の性格を持つデータポリシーと異なり、実施細則は基本的に学内向けなので、詳細を知りたい方は「北陸研究データ基盤コンソーシアム」に入会してほしいとのことです。
続いて、現地参加者のみの情報交換会に移りました。「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に定められたデータポリシーの制定期限が2025年であることから、ポリシーあるいはガイドラインの作成が佳境という機関が多く、話題はポリシー関連に集中しました。NIIの研究データ基盤へのご意見はあまり聞けませんでしたが、それはまた次の機会に期待したいと思います。
セミナーには全国から250名近い申込みがあったとのことです。大雪の影響で現地参加をオンライン視聴に切り替えた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、現地会場にも約40名が参加し、熱心な情報交換が行われました。悪天候にもかかわらず、ご参加いただいた方々、臨機応変な対応で運営に尽力いただいた金沢大学の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
セミナーの資料、動画は以下に公開される予定です。
・ 第4回北陸地区学術データ基盤セミナー(兼「研究データ管理スタートアップ支援事業」報告会)
(江川 和子)
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