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EOSC Symposium 2023参加報告

2023.11.02

2023年9月にスペインはマドリードで開催されたEOSC Symposiumに、学術コンテンツ課の佐藤が現地参加させていただきました。

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■ EOSC Symposium 2023

開催期間: 20-22 September 2023
プログラム・資料: https://symposium23.eoscfuture.eu/programme/
SNS: https://twitter.com/EOSCFuture

EOSC(European Open Science Cloud; 欧州オープンサイエンスクラウド) は、国境や科学分野を超えて研究データを共有し、アクセスするための仮想環境を作成することを目的とした汎欧州プロジェクトです。EOSC Symposiumは、当プロジェクトの年次イベントで、2023年は「EOSC を未来へ( 'Taking EOSC into the future' )」というテーマの下、EOSC の持続可能性に関する喫緊のトピックなどが取り上げられました。
扱われたトピックが多岐にわたり、パラレルに開催されたセッションもあったため、自分が現地で集められた情報もイベント全体のごく一部にすぎません。それでも国内では得られにくいEOSCの取組について理解が進み、大変充実した機会となりました。本シンポジウムの資料及び映像は上記ウェブサイトで公開されていますので、ご興味のある方は上記リンクからご確認ください。

また、前年(2022年)のプラハ開催回についても参加レポートがありますので、よろしければ当ページの情報と合わせてご覧いただければと思います。
EOSC Symposium 2022参加報告

個人的に印象に残ったセッションとしては、2日目に行われた「EOSC in a global setting」があります。こちらのセッションには、RCOSの谷藤幹子先生がオンライン登壇されておりました。遠方の地で参加する国際会議の中で、モニター越しに所内の先生のお姿を拝見するのは大変新鮮です。
EOSC Symposiumは、何らかの形でEOSCプロジェクトに関わっている方の発表がほとんどで欧州圏以外の参加者は多くありません(特にアジア圏からの参加者)。必然的に報告や視点も欧州に重点が置かれますが、このセッションではアメリカ、カナダ、ラテンアメリカ、オーストラリア、日本と世界各国からパネラーが参加され、シンポジウム全体を通して最も俯瞰的にオープンサイエンスについて意見を交わす場になっていたのではないかと思います。
この中で、Australian Research Data Commonsから参加されていたRosie氏が「CARE原則(CARE principles)」について言及していたのですが、浅学非才な身とはいえこれまでその存在を認知できていなかったのはお恥ずかしいことでした。システム面でFAIR原則が注目されがちですが、RDMを推進していくうえで意識していかなければならない点だと認識しました。

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本イベントでは、RCOSの南山先生に同行いただいたのですが、国際会議に不慣れな自分にとって大変心強い存在でした。参加したセッションの感想や意見を交わし、日本の状況と照らし合わせながら先生と議論できたことで、現地で得た情報の理解がより進んだと思っております。

初海外出張であり初国際会議参加ということもあり戸惑うこともありましたが、刺激的で充実した3日間でした。参加されているみなさんがエネルギッシュでプレゼンも面白く、欧州オープンサイエンス界隈がいかに盛り上がっているか感じられました。今回はハイブリッドのセッションもありましたが、そのエネルギーを間近で感じられたので、現地参加してよかったと思います。余談ですが、この会場で提供されたフードの中のパエリアが在留中一番おいしかったです(写真撮り忘れました)。

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集合写真(公式ウェブサイトより)

(佐藤 知生)