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コロナ禍での在宅勤務の日常

2021.08.20

RCOSでの研究活動とはあまり関係ない、緩いお話です。気楽にお読みいただけたらと思います。

東京オリンピック2020が開催されました。大会初日に見た、ブルーインパルスが描く巨大な五輪のシンボルマークが、風で崩れるまでの儚い瞬間、青空に浮かんでいたのが印象的でした。
開催前は、無観客で競技が行われる意義やコロナ感染拡大等で実施を危ぶむ声があるのを心配していましたが、いざ始まると、ワールドクラスのアスリートたちの真剣な姿や日本人の連日の大活躍、あるいは逆に結果を出せなかった選手の姿をテレビやネットを通じてリアルタイムで目の当たりにして、その度に心が揺さぶられる感動を覚えました。やはり、オリンピックの主役は選手なのだなと思う傍ら、これだけ大きなイベントの実現のために、報道やカメラが向けられないところでの関係者・ボランティア等々の方々による、どれだけ多くの努力や準備が重ねられてきたのだろうことに思いを馳せると、感謝の念で心がいっぱいになりました。

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【公園からみた空に浮かぶ5色の五輪 (2021年7月23日著者撮影)】

さて、後の話は、私のコロナ禍での日常の話です。

私がNIIに赴任したのは2020年の春、その頃は日本国内でコロナウィルスが流行り始めた時期で、赴任した直後から在宅勤務の指令が出されました。それ以来現在までの凡そ1年と5ヶ月間、ほぼ完全に在宅での業務が続いています。

私のそれまでの仕事のスタンスとして、対面で仕事を進めることを是としていたこともあり、初めの頃は、不慣れな業務のちょっとしたことを聞ける人が近くにいないことへの戸惑いや不安を強く感じていたのですが、数週間経つうちに徐々に慣れ、日々Web会議システムや、メッセンジャーツール、VPN接続による共有ファイルアクセス等、在宅業務を進める上でのインフラを利用することで、対面でないことを除けば、事務所で仕事をするのとほぼ同じ計算機環境が組織から提供されていることもあり、これまで何とか業務を進められてきたことが感慨深く感じられます。

在宅勤務は、ほとんどの時間を自宅で過ごすため、閉じこもりがちな毎日が続き、毎日毎日、自宅から同じ窓の外を見ながら日々仕事をすることになります。そんな生活を送っていると、ほとんど動くことがないことから、体重増加等に起因する生活習慣病になるのではないかと懸念されるところもありましたが、私の場合は家族等から、外に出る機会を積極的に持った方がいいというアドバイスもあって、通勤にかかっていたであろう時間を使い、朝20〜30分程度の自宅周辺の散歩を、無理のない程度で毎日実施しています。
そのおかげもあって、健康と体重を維持することができ、さらに寒暖や街路樹等での日々の季節の移り変わりを感じられる機会ともなっています。

さて、いささか唐突ですが、厚生労働省が行った調査によると、テレワークの導入によって、「通勤時間の短縮による心身負担の軽減」や「育児や介護と仕事との両立の一助となる」といったメリットがあることが報告されている一方で、テレワーク従事者のおよそ4割が「労働時間管理が難しい」「長時間労働になりやすい」「仕事と生活の切り分けが難しい」といった類の課題を感じているとのことです。
RCOSでは、在宅勤務者に対し簡単な業務日誌を日々求められています。報告に利用しているWebツールには、その内容とともに記録した時間が表示されます。赴任してまもなくは、業務開始時に今日の業務予定を記載していましたが、所属長から、業務終了時に報告をするよう指示があり、なるほどこれが業務時間の管理になっているのかーと思い至った次第です。
ちなみに私はそれ以降、趣旨に従って、日誌を記載したら、その日の業務を終了するようにしています。

コロナ禍での在宅勤務がいつまで続くのかはよく分からないところではありますが、体を動かす機会の少ない中でも心躍ることを日々見つけて、できるかぎり前向きな気持ちで、心身ともに健康的な毎日を過ごしていければいいなと思います。

次は東京パラリンピック2020で応援しようかな。

(下山武司)