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SPARC Japanセミナー開催報告

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NIIでは、オープンアクセスの推進、学術情報流通の促進および情報発信力の強化のため学術情報流通推進委員会(SPARC Japan)が設置されております。今回は、SPARC Japan年間セミナーについて紹介します。

SPARC Japanセミナーは、学術情報流通の関係者(大学図書館員、研究者、URA、学術出版関係者)を対象に、国内外における動向や実態や研究分野の特性も踏まえて、学術情報の公開や利活用の促進を目的としています。今年度は「学術情報流通の新たな地平:COVID-19を契機とした再検討」を年間テーマとし、研究のDXと学術機関のDXの現在地を確認するセミナーを開催しています。

第1回は、私が企画を立て、「研究データ公開:フルオープンと制限公開の境界線」と いうセミナーを開催しました。条件を満たした利用者にのみ研究データを提供している研究機関の方々に、制限公開を行う理由や制限公開を行う上でどのような手続きが必要なのかについて講演していただき、機関が持続的に制限公開を行うための課題とその解決方法についてディスカッションを行いました。 現在、私はJAIRO Cloud上で制限公開を行うための機能を開発していますが、実際に制限公開を行っている機関の皆さまの講演は大変勉強になりました。

第2回は、「プレプリントは学術情報流通の多様性をどこまで実現できるのか?」というタイトルで、査読前論文の公開をテーマにしたセミナーを開催しました。ディスカッションでは、新しい研究成果発信スタイルの紹介にとどまらず、大学図書館でプレプリントを行うために、どのようなビジネスモデルが必要なのかといった学術流通の将来像について議論がなされました。

現在、第3回セミナーとして、「初めての研究データ」を企画しております。本セミナーでは、現在RCOSで研究開発を進めているGakuNin RDMの活用方法についても紹介します。ここで参加申し込み受付を行っているので、研究データの管理や公開に興味のある方は、ぜひご参加ください。

(朝岡 誠)