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Found Time

2020.05.22

2001年9月、学会に参加するためにカリフォルニアのモントレーにいました。
11日の便で日本に帰国する予定だったのですが、空港は閉鎖です。次のターゲットは、アメリカの象徴にも挙げられるゴールデンゲートブリッジだという噂も飛び交います。しばらくは、足止めになりそうです。不安で仕方がありません。
そんなとき、お世話になっていたバークレーの先生に諭された言葉を今でも覚えています。
「Found Timeだと思って自分と過ごすのが良い」。
その時は意味を十分に理解しないまま、車を借りてあてもなくヨセミテまで行き、数日間のんびりと過ごしました。

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今回RCOSでは、比較的早い段階からテレワークを開始しています。
しばらくは皆、環境整備や自身が慣れることに努めていたのですが、そこから漏れ聞こえる声は、実際にF2Fでコミュニケーションをとることの大切さでした。
といっても物理的に会えるのがいつになるのか、状況は長期戦の様相を呈しています。メンバーがそれぞれ、遠隔でもきめ細やかな共感や共有ができるように試行錯誤しています。お互いにちょっと話す感覚で、いろんなマイクロ会議が開催されているようです。
そうした改善がどんどん自発的に起こるのが、我々の強みです。

仕事より重要なのが、体調の管理です。
RCOS内で、運動不足解消に何をやっているのかを話しているチャットチャネルもあります。フィジカルと同時にメンタルな自己管理も重要ですね。
一日中部屋にいてテレビ会議に参加している毎日です。通勤のことを考えると、自由な時間は増えてるはずなのに、行動範囲が狭いせいか気持ちがとても窮屈です。嫌になってきます。
そんなときふと頭をよぎったのが、「Found Time」です。
家族との会話を増やす。気になっていた片付けをする。読めてなかった本を手にする。仕事のこと以外に考える時間をもっと作りたいなと思っています。何を勉強するかは内緒です。
皆さんも、それぞれのFound Timeで、少しでもポジティブな時間を過ごせればなと思います

(山地 一禎)