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次世代リポジトリに求められる11の機能要件

国会図書館によるメールマガジン「カレントアウェアネス-E」3/22配信分で、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が昨年11月末に発表した「次世代リポジトリの機能要件および技術勧告」が取り上げられました。

カレントアウェアネス-E
E2011 - 次世代リポジトリの機能要件および技術勧告

そこで、こちらでも次世代リポジトリについて、改めてご紹介します。

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機関リポジトリとは、大学などの研究機関が自機関の研究成果を電子アーカイブにして公開するシステムです。
NIIではこれまでに、WEKO2というリポジトリシステムを開発し、それを基に主に大学向けにJAIRO Cloudという機関リポジトリのクラウドサービスを提供してきました。

ところで、現行のWEKO2などのリポジトリでは収録対象は論文や図書などの文献が中心ですが、これからのリポジトリでは研究成果や文書だけでなく、研究データや文書以外の成果物といった幅広いデータ形式やファイルも収録対象となってきます。そして、それら収録対象を利用した付加価値サービスへの期待も高まっています。

そのような次世代のリポジトリシステムの実現のためにCOARが提唱したのが、11の機能要件でした。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)
Behaviours and Technical Recommendations of the COAR Next Generation Repositories Working Group

これまでリポジトリシステムは人間によるアクセスしか想定されてきませんでしたが、COARによる次世代リポジトリのビジョンでは、データの機械的なアクセスが可能であることが強く意識されたものとなっています。今後はこの11の機能要件をもとに、具体的な実現方法が議論されていくものと思われます。

COARが提唱する技術勧告については今後も更新が計画されており、最新情報は以下のサイトで確認できます。
http://ngr.coar-repositories.org/

現在RCOSでは、WEKO2を次世代リポジトリに対応させたWEKO3を開発中です。
様々な研究分野の様々な形式のデータを扱うために、WEKO3には、より柔軟性と拡張性のあるシステムが求められることになります。世界のオープンアクセスやオープンサイエンスの動向を見据えつつ、どこからも誰からも利用しやすくかつ堅牢なシステムを作ることを目指して、われわれRCOSは日々邁進しています。

(文責:福嶋 有希子 監修:林 正治)