NII研究データ基盤(NII Research Data Cloud:NII RDC)の概要
NII研究データ基盤(NII RDC)は、オープンサイエンスと研究公正を支え、データ駆動型研究を推進する情報基盤です。研究データのライフサイクルに即した3つの基盤「管理基盤(GakuNin RDM)」「公開基盤(WEKO3)」「検索基盤(CiNii Research)」から構成されています。RCOSは、2017年からNII RDCの開発に取り組み、2021年に本格運用を開始しました。
2022年からは、3つの基盤を7つの側面から高度化することを目指しています。2027年までに「データガバナンス機能」「データプロビナンス機能」「コード付帯機能」「秘匿解析機能」「セキュア蓄積環境」「キュレーション機能」「人材育成基盤」を順次実現していきます。
上記の外にも、オープンアクセスやオープンサイエンスに資する機能の拡充に継続的に取り組み、人文学や社会科学分野における研究データの共有と利活用促進にも注力しています。また、2022年から始まった「研究データエコシステム構築事業」においては、研究DXの全国的な促進のため、ルール・ガイドラインの整備や研究データ管理人材の育成カリキュラムの検討等も含めた幅広い取り組みを展開しています。
GakuNin RDM(管理基盤)
管理基盤(GakuNin RDM)は、研究者がプロジェクトにおいて、研究データを迅速に管理・共有できるクラウドサービスです。
WEKO3(公開基盤)
公開基盤(WEKO3)は、研究者の成果物である研究データや研究論文などを公開するリポジトリシステムです。
CiNii Research(検索基盤)
検索基盤(CiNii Research)は、公開基盤や他のリポジトリで公開された学術情報を、横断的に検索するための次世代検索サービスです。
データガバナンス機能
研究データ管理上の制約条件(データ管理要件)策定・設定と執行を支援し、組織による研究データ品質のモニタリングを実現する機能です。
データプロビナンス機能
データを利用する研究者がデータの来歴を確認できるとともに、データを提供する研究者が自身のデータの利用状況を確認できる機能です。
コード付帯機能
研究者が用いたデータ・プログラム・実行環境定義をまとめて「計算再現パッケージ」として公開・再利用できる機能です。
秘匿解析機能
データ提供者が開示を許可しないデータを、暗号化したまま解析することを可能にする機能です。
セキュア蓄積環境
専用ハードウェアと高度な暗号化技術による超鉄壁ストレージを提供し、機微情報を取り扱う研究プロジェクトでデータの共有と保護の両立を実現します。
キュレーション機能
データキュレータの人的ネットワーク基盤を構築し、研究者に各分野の専門的なキュレーションサービスを提供します。
人材育成基盤
研究データ管理に必要なスキルを学ぶための教材や学習者の受講状況が確認できる環境を提供します。
OAアシスト機能
所属研究者の論文情報に加え、オープンアクセス情報、助成情報、ポリシー情報などを機関リポジトリへ通知することにより、オープンアクセスを効率的に推進します。
人文学社会科学における利用推進
ライセンスや機密、プライバシ情報のため公開が難しい、人文社会科学分野の研究コンテンツの利活用を推進します。
研究データ管理・公開ポリシー
国立情報学研究所(NII)では、NIIで策定した研究データポリシー(NII-RDP)を全国の参考として、ここに公開しています。
研究データエコシステム構築事業
デジタル技術とデータ活用による研究活動の変革(研究DX)を全国的に促進するため、「ユースケースの形成、普及」「データ共有・利活用の促進」「研究デジタルインフラ等の効果的活用」を一体的に進めることを目的とした文部科学省の事業です。