研究データ管理のための東北コンソーシアム設立準備シンポジウム開催報告
2024年10月3日、東北大学データシナジー創生機構と国立情報学研究所が合同主催する「研究データ管理のための東北コンソーシアム設立準備シンポジウム」が開催されました。
国立情報学研究所は「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の一環として、地域の拠点大学と連携し、研究データの管理・公開・利活用を推進するための地域コンソーシアムを構築する取り組みを進めています。すでに東海、北陸、中国・四国、九州の各地区でコンソーシアムの設立あるいはその準備が始まっていますが、東北大学は、2025年度の東北コンソーシアム設立に向けて、今回のシンポジウムを企画・開催しました。
会場となった東北大学青葉山キャンパスは、2017年に開設されたキャンパスで、緑豊かな丘陵地に新しい研究棟や共用施設が整然と並んでいました。今回のシンポジウムには、オンライン・現地を合わせて約180名(内、現地45名)の参加申込がありました。
東北地方には、大学・高専等の情報基盤関係者を中心としたTOPIC(東北学術研究インターネットコミュニティ)というコミュニティがあり、東北大学はTOPIC事務局も担当しています。実は、10月2日から3日の午前中まで、秋保温泉でTOPICのネットワーク担当職員研修会が開催されており、一部の参加者は、青葉山キャンパスへ送迎バスで移動してきたそうです。
シンポジウムでは、中野恵一主任学術基盤研究員がデータエコ事業の概要と意義、込山悠介准教授がGakuNin RDMの役割と実践について紹介しました。また、今回はNIIからトラスト・デジタルID基盤研究開発センター長の佐藤周行先生にも参加いただき、「研究データ管理のための『学認』」について講演いただきました。休憩時間には、東北大学の青木孝文副学長が会場に立ち寄り、同じ青葉山キャンパスにあるナノテラス(高輝度放射光施設)に民間利用者を受け入れるためのID管理の課題について、佐藤先生と会話を交わして行かれました。
中野恵一主任学術基盤研究員
込山悠介准教授
佐藤周行教授
また、東北大学の濱手雄一郎特任教授による「東北大学における研究データ管理の動向」も興味深いお話でした。研究データの管理・公開が「なかなか進まない」のは何故か、学内ヒアリングの結果と、データ公開のハードルを下げるためのさまざまな苦心を紹介いただきました。
このように地域開催のイベントは、NIIの開発者やスタッフが、サービスユーザーである大学関係者の声を聞き、大学の実態を理解する貴重な機会となっています。今後も各地でシンポジウムやセミナー開催を計画していますので、ぜひ多くの方に参加いただきたいと思います。
(江川 和子)
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