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RCOSメンバーよりごあいさつ:平木俊幸

2023.05.19

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2023 年 4 月 1 日より国立情報学研究所(NII)オープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)に特任研究員として着任した平木俊幸と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
RCOS では研究データ基盤である NII Research Data Cloud (RDC) の一機能であるデータガバナンス機能の研究開発を主に担当いたします。

自己紹介を兼ねて前職までの略歴を。大学では物理学を専攻し、いわゆる実験系の研究をしていました。その中で計測システムの開発に関心が湧き、博士課程を単位取得退学してハードウェアエンジニアとして一般企業に就職しました。その後博士号を取得して理化学研究所放射光科学研究センターに特別研究員として着任し、イメージングX線検出器用のデータ収集システムの構築およびX線CT計測システムの自動化に関する研究開発を進めておりました。そして研究データの管理に関心を強く持ち、今に至ります。
トップの画像は博士課程2回生の時に撮影したものです。この時にはずっと物理学の研究を主にするのだろうとおぼろげに考えていましたが、全然そんなことないですね。研究人生ってどう転ぶか分からないものです。

さて、研究に携わった期間は12年程度(学部3年~現在)しかありませんが、いろいろと苦労することはありました。そのうちの一つが研究データの管理(Research data management、RDM)です。
「あのデータはどこに保存したか?」や「このデータはどうやって生成したか?」が分からなくなるという経験をしたことがある方は私の他にもいらっしゃると思います。データの保存場所や生成手順等がわからなくなり、データを再生成・再保存することもしばしば。また、今のところ私は経験していませんが(あっても困りますが)、データが管理できていないと研究成果への疑義が生じてデータの再現性を問われた日に苦しむことになるかもしれません。
何を言いたいかというと、RDM がうまくできていないと研究活動も非効率になりえて、場合によっては研究者の信用を失いかねない、ということです。逆に言うと、常日頃から RDM を行うことが研究活動という「攻め」の活動と、自身の研究成果に対する疑義に対処するという「守り」の活動を効率的に行うことにつながるということだと私は考えています。

とはいえ、常日頃から RDM を意識して行うというのはなかなか大変なものです。どういう方向で・どうやって RDM を実施するか、というのも悩みどころの一つとして存在するかもしれません。そのあたりを機械的に支援することを目標の一つとして、データガバナンス機能の研究開発を進めています。
NII RCOS に入所して日が浅いですが、これまでの実験系物理や大型実験施設での基盤に関する研究開発で得た経験や知識を活かしてデータガバナンス機能および NII RDC をより使いやすく高度化していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

(平木 俊幸)