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RCOSメンバーよりごあいさつ:中野恵一

2023.05.12

文部科学省により2022年7月に採択された「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の推進役である専従プログラムマネージャーとして、2023年4月よりオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)に着任いたしました。
本事業では、「デジタル技術とデータ活用によって研究活動を変革すること」すなわち "研究DX(研究デジタルトランスフォーメーション)" による新たな研究手法の発展と生産性向上に資する、研究データの管理・利活用が持続的に行われる仕組み(研究データエコシステム)を構築し、全国の大学・研究機関等で活用されるようにすることが期待されています

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一方、2021年9月に初代事務局長としてJoinし3月まで勤めておりました一般社団法人日本CTO協会(以下、CTO協会)では、「テクノロジーによる自己変革を、日本社会のあたりまえに」というミッションを掲げ、"2つのDX" を標榜しています。この "2つのDX" とは、上記の "研究DX" にもある通りの "Digital Transformation" と、"開発者体験" を意味する "Developer eXperience" のことを言っています。ここで "開発者体験" とは、「開発者が高速な仮説検証を行うための企業等の組織における環境や習慣、文化」のことを指していて、これら "2つのDX" は、デジタルテクノロジーを有効に活用し組織変革をしながら価値提供し続けていく上では欠かせない "車の両輪" だと考えています。
CTO協会ではこの考えを元に、「デジタル技術を企業が活用するために必要な要素を多角的かつ具体的に体系化」した "DX Criteria" という「企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドライン」を監修・編纂しています。ただし、CTO協会はその設立の経緯から比較的に、ソフトウェアビジネス関係のベンチャー/スタートアップが中心層となっていることから、DX Criteriaもそういった企業向けになっている部分が多いことは否めません。
そのため「日本社会のあたりまえに」を目指す上で、インターネット以前からある老舗大企業等(エンタープライズ)に向けて発信することを想定し、そのような組織においても当然に取り組むべき項目をDX Criteriaの中からピックアップする議論を今年から始めています。

「"研究" と "事業" を両輪」としているNIIは大変ユニークな組織ですが、こと、"事業" に関して見ると、まさに上記の "エンタープライズ" の要素を持った組織であるな、と感じています。そしてこれから "研究データエコシステム" を有効に活用いただく必要のある全国の大学・研究機関等もその多くが同様の状況にあるものと思います。
そのため、CTO協会での議論も参考にしつつ、DXを加速していけるように取り組んでいきたいと考えています。
我が国の研究力の飛躍的発展の礎となるよう、本事業を通じて「全国的な研究データ基盤構築」実現に向け尽力していきたいと思いますので、ぜひ多くの関係者の皆さんにご関心・ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします!

(中野 恵一)