APAN参加報告
2022年8月22~26日の間、APANというコミュニティのイベントがありました。
APANとは、Asia Pacific Advanced Networkの略で、名前にあるネットワークは、インターネットのネットワークを指します。
各国では、NIIのような組織が学術ネットワークを整備していて、その組織のことをNRENと呼びます。National Research and Education Networkの略です。
APANは、アジア・パシフィックのNRENの集まりのようなものです。
関係者が集まるイベントが夏と冬の年2回開催されています。アジア・パシフィックの各国が持ち回りで、このイベントをホストしています。今回は中国ですが、まだコロナが落ち着いていないので、オンライン会議となりました。
APANでは、NRENが提供しているサービスに因んだいくつかの部会があります。年2回のイベントでは、基調講演や全体会議に加えて、それぞれの部会のセッションが開催されます。
私は、NIIに所属したころからAPANに参加しており、日本の学認にあたる学術認証連携フェデレーションを、アジア諸国に広げる活動をしてきました。欧米の関係者に世話になりながら日本のフェデレーションを構築してきたので、その恩返しの意味も込めてのアジア各国への普及活動です。
英語を母国語としない参加者が殆どですから、自分の下手な英語のことは気にすることなく、どんどん言葉を発しながらコミュニケーションをとるという修行を、このAPANでしてきたんだなと思います。国際の場を学ぶという意味でも、我々にとって貴重なコミュニティです。
2014年にインドネシア・バンドンで開催したハンズオン講習会の様子
このAPANで最近立ち上がったのが、Open & Sharing Data Working Groupです。NRENとして、オープンサイエンス推進のための何ができるのかを議論し各国で活動することが、この部会の大きな目的です。ユネスコのオープンサイエンスの勧告でも、インフラの重要性やNRENの役割について取り上げられましたから、アジア諸国でもその意識は高まりつつあります。
今回の部会では、これから情報共有を更に活性化させるために作ったdata.apan.netのお披露目会がありました。RCOSの大波さんが主体として、このウェブサイトを作ってくれました。まだまだ内容は限られていますが、NII RDCに関する情報発信も含めて、日本のモデルをアジア各国に伝えていくための土俵にできればと思っております。
次の会議は、ネパールがホストです。欧米では、皆さん積極的にin personでの会議を開催しています。そろそろ海外に飛ぶことも、考えないといけない状況です。
アジアの各国は、それぞれが違った顔をもっており、それに触れることができるのもAPANの大きな魅力です。今後の展開が楽しみです。
APAN OSD-WGが提供するdata.apan.netのサイト
(山地 一禎)
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