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SPARC Japanセミナー2021開催報告

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2022年2月22日、学術情報流通推進委員会(SPARC Japan)主催のセミナーが開催されました。

SPARC Japanについては昨年の日誌の説明をご参照ください。

2003年から続くこのイベントでは、オープンサイエンスや学術流通について多くの議論がなされてきました。今年度は特に内閣府の「第6期科学技術・イノベーション基本計画」で示された学術機関への要請を背景として、「研究データポリシーが目指すものとは」という題で多面的な議論が実施されました。

研究データポリシーについては、日本の学術界ではまだ十分浸透した概念ではないと考えられたことから、まず3つの切り口で情報提供が行われました。

はじめに政策側の文部科学省学術基盤整備室の三宅隆悟氏から、研究DXの動向とその効果について詳細な説明があり、次に学術の現場である電気通信大学の学長である田野俊一氏より、スマート社会へ向けたデータ活用の効果について具体的な情報共有が行われました。そしてデータ流通や活用側の話として、私からNII Research Data Cloudの基盤を利用した研究データ流通と、その手順について解説しました。

これらの内容を受け、質疑やパネルディスカッションが行われました。

聴講者はやはり大学等の職員や図書館員が多かったようで、ポリシー策定やデータ共有における不安や疑念も多かった一方、データを利用した発展や田野氏が示した共創進化への期待も垣間見えました。

理念と現場の情報がセミナーの最初に共有されたことで、比較的一貫したストーリーについて情報交換できる場となったように思います。

発表資料と当日の動画についてはセミナーのサイトで公開されています。

(大波 純一)