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3rd ESFRI RIs -EOSC Workshop: What does EOSC bring to RI users? 参加報告

2022年1月25日〜26日にかけて、欧州研究インフラ戦略フォーラム(European Strategy Forum on Research Infrastructures : ESFRI)主催のワークショップ「3rd ESFRI RIs -EOSC Workshop: What does EOSC bring to RI users?」が開催されました。

ワークショップのプレゼン資料等は以下から入手できます。
https://www.esfri.eu/esfri-events/3rd-esfri-ris-eosc-workshop?qt-event=0#qt-event

20220218-1.png

ここではワークショップで紹介されていた、少し気になるサービスについて紹介します。

OpenAIRE EXPLORE beta

国際的なディカバリーサービスOpenAIRE EXPLOREの試験版サイトです。
ワークショップでは、データを検索するだけでなく、解析(EOSC SERVICEのEGI NOTEBOOK)への接続ができるようになることが示されていました。

https://beta.explore.openaire.eu/search/software?pid=10.5281%2Fzenodo.5554786

実例は上記ページから確認できます。
上記ページでは、EOSC SERVICEのEGI NOTEBOOKへのリンクが表示され、そこからnotebookを動かすためのマシンをオンラインで注文できるようになっていました。注文する場合は、CPU数とメモリ量が選択可能になっていました。
現在のディスカバリサービスが連携しているサービスは、ソーシャルサービスや論文管理サービスが一般的ですが、将来的には、自分の実験環境に取り込むとか、分析サービスに連携させるといった、研究ツールとの連携が進んでいくのかもしれません。

RoHub: Research Object Hub

Research Object(RO)のポータルサイト。ROの作成、管理が可能となっています。

https://reliance.rohub.org/overview?f744f729-b25c-4173-ae67-858f0895bfe6&activetab=overview

上記ページでは、ROに対しての操作履歴や分岐状況が確認できるだけでなく、ROのクオリティが表示されるようになっています。
前身のサービスを見ると、ROの推奨要素や分野別の推奨要素をもとに評価する機能が備わっているので、それらをベースにした評価結果が表示されているのだと思います。こうした指標が表示されると、評価をあげたくなってくるので、登録されるメタデータの量や品質も上がっていくのかもしれません。
RO関連では、その他にWorkflowHubとの連携もワークショップで示されていました。ROは着実に普及していっているように感じました。

Social Sciences & Humanities Open Marketplace

Social Sciences & Humanities 向けのツールやサービス、トレーニング教材やデータセットのカタログサイトです。無償か有償かを問わず、キーワード検索、分析や可視化といったアクティビティによる絞り込みが可能になっています。
このサービスを見ていて、人工知能学会誌にあった「研究のツールボックス」という特集を思い出しました。研究者が自身の研究分野の便利ツールを紹介する記事で、ツールの紹介だけでなく、使い方も紹介されていて、とても興味深く読んだ記憶があります。
情報が古くなると使えなくなってしまうので、記事としてのメンテナンスは難しいのですが、こうしたカタログサイトやワークフローの共有が進んでいくと、将来的には、自然と研究のツールボックスみたいなものが、できていくのかもしれないと思いました。

F-UJI: FAIRsFAIR Research Data Object Assessment Service

研究データのFAIR度を自動評価するツールです。DOIやURLを入力すると、自動的にメタデータを取得し、データのFAIR度を自動判定してくれます。
ワークショップではF-UJIを使ってコンサルティングを行った事例が紹介されていました。
検索エンジン最適化のためのコンサルティングみたいに思いましたが、研究データの再利用をより積極的に推進するには、こうした評価とコンサルティング的なサービスが求められることもでてくるように思いました。

以上がサービス紹介となります。

こうした先行事例から良いところ、悪いところを学び、日々のNII RDCの開発に役立てていきたいと思います。

(林 正治)