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Position paper on the management of research data in the Helmholtz Association
独・ヘルムホルツ協会が、研究データ管理に関わるポジションペーパー2016年10月12日に発表しましたので、その概要を以下に紹介します。
全般に、研究データを適切なデータ管理基盤に長期的に保存し、学術および社会におけるリユースのために可能な限りオープンにすることを謳っています。
そのためにヘルムホルツ・データ・フェデレーション(HDF、カールスルーエ工科大学(KIT)が取りまとめ)で管理運営する研究データ管理基盤を、同協会の17のセンター横断的に利用可能とし、研究データを見つけやすくするとしてあります。
なおヘルムホルツ協会は、17の科学技術・生物医学研究センターがある、ドイツ最大の研究機関です。 (以下、「協会のセンター群」とは、これらセンターを指します)
情報ソースをより使いやすくする(Making information resources more usable)
― 独・ヘルムホルツ協会の研究データ管理に関わるポジションペーパー
研究データは、研究プロセスにおいて、また多くの場合経済的・社会的イノベーションにおいても、その基盤となるものである。オープンサイエンス等の流れにより、研究データの量は加速的に伸びており、このデータの管理と分析のためには専門的知識とインフラが必要である。また、研究文化とビジネスモデルの変更も必要となっている。ヘルムホルツ協会の提供する研究データ管理のためのインフラは既に、国内および国際における重要なハブとなっている。
ヘルムホルツ協会は、2003年のオープンアクセスに関わるベルリン宣言を早い段階で署名した機関の一つである。先進国、EU、ドイツは、研究データへのオープンアクセスをコア戦略の一つとみなすようになっている。グローバルな情報インフラの一部となる「ナショナルなデータ管理基盤」を構築することは、独・情報インフラ協議会(RfII)からの連邦政府と科学機関への提言において、トッププライオリティーとなっている。
ヘルムホルツ協会は、このデータ管理基盤を構築し、協会のセンター群の活動を調整し、研究管理データに関わる提言をすることについて、先導的な立場をとる。
ヘルムホルツ協会は、協会の学際性に則り、この立場を固め、その上で自身の学際性を向上させることが、戦略的に肝要であると理解している。
このような使命感のもと、ヘルムホルツ協会は、自身の「デジタルサイエンス」を強化することを通じて、研究に関わる発見や情報のポテンシャルを大きく向上させる。
- ・ 協会のセンター群の科学者およびパートナー機関、研究インフラの利用者に対して、必要な情報インフラについて研究開発を行い、これを開発、運用する。
- ・ 協会のセンター群の研究データを適切なデータ管理基盤に保存し、科学および社会に無償でオープンに提供する。
- ・ 国内および国際的な既存のインフラ間の調整において、積極的な役割を演じる。
- ・ 科学者およびnon-科学者に対して、研修を提供する。
協会のセンター群は、独・情報インフラ協議会 (RfII)の提言に従うことにより、以下が可能となると理解している。
- ・ データ管理基盤の予算メカニズムの安定化
- ・ ヘルムホルツ内、国内、国際的に分散しているデータ管理基盤について、それら横断的なコーディネーションとネットワーキングが進むこと
- ・ 新しいデータ文化の促進
- ・ 人的リソースの拡大
はじめの一歩として、協会のセンター群は、研究データ管理に関わる詳細を、公的なガイドラインとしてまとめる。 個人情報等により、データを秘匿する必要がある場合がある。また産業上の利用を制限する場合がある。
協会のセンター群は、研究データ管理に関わる責任および効果的な利用について、研究者に助言を行う。また機関内外から得た研究データの安全な保存のために、信頼性のあるデータ管理基盤を開発・運営する。協会のセンター群は、このプロセスにおいて相互に協力し、国内・国際的に他機関や他のイニシアティブとも協力する。
これらの方針は、ヘルムホルツ協会の使命に則りつつ、科学の質、生産性、サステナビリティ、競争力を促進することを意図したものである。知識移転のベースともなる。この方針は協会のセンター群のスタッフおよび、協会のセンター群の大規模装置やインフラを利用する外部ユーザに適用される。
[プレスリリース] ヘルムホルツ協会 (2015/10/12)
Digitale Forschungsdaten offen zugänglich machen(ドイツ語)
(デジタルの研究データをオープンでアクセス可能とする)
[ポジションペーパー] (英語版)
Making information resources more usable
(情報ソースをより使いやすくする)― 独・ヘルムホルツ協会の研究データ管理に関わるポジションペーパー
Council for Scientific Information Infrastructuresから連邦政府と科学機関への提言(2016.5.3)
RfII Recommendations 2016: Performance through Diversity
なんとなく、このヘルムホルツ協会のデータ管理基盤に関する役割、少しNIIに似ていますね。
一度話を伺いに行っても良いのかもしれません。すでにコネクションあるのかもしれませんが。
船守美穂
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