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Preliminary report on the future of MIT libraries
MIT図書館の未来に関する初期報告が2016/10/24に提出されました。現在、コメント受付中です。
MIT, "Institute-wide Task Force on the Future of Libraries - Preliminary Report" (2016.10.24)
以下の4つの柱に対して10の提言がとりまとめられています。
心としては、研究型大学の大学図書館として、研究プロセスにより踏み込み、デジタルのコンテンツをダイナミックに運用できる"library as a platform"を目指しています。
またこれらを通じて、"global library for a global university" "for collaborative global research and education"になるということを謳っています。
[コミュニティと関係の拡大]
- ○ 提言1:MIT図書館は、グローバル大学とそのオーディエンスのための、グローバルな図書館でなければならない。
- ○ 提言2:この報告書のヴィジョンを踏まえ、MIT図書館の物理的スペースを再検討するグループを設立すべきである。
- ○ 提言3:MIT図書館は、情報を批判的・効果的に活用するための教育機会をMITコミュニティに提供する。また、新しい知識とそれを発信するためのプラットフォーム、システム、ネットワークのスキル開発の機会も提供する。
[発見と活用]
- ○ 提言4:MIT図書館は、MITの研究を世界に発信する、信頼できる手段でなければならない。
- ○ 提言5:ボーン・デジタルのコンテンツの収集やアナログデータのデジタル化を通じて、所有するコレクションについて総括的なデジタル・アクセスを提供する。
- ○ 提言6:分野横断的かつ外部機関とのパートナーシップを通じ、図書館はオープンでインタオペラブルなプラットフォームを提供する。
- ○ 提言7:MITの研究と学術をより発信することを念頭に、現在のMIT Faculty Open Access Policyを再検討するタスクフォースを設置する。
[STEWARDSHIPとサステナビリティ]
- ○ 提言8:大学のインスティテューショナル・メモリーと教育研究活動の記録として、MIT図書館は耐久性のある信頼できるレポジトリをMITの研究オブジェクトのために提供する。
- ○ 提言9:デジタルな研究の長期管理と保存のために、図書館はこれに向けたグローバルな協働活動に参画し、リーダーシップを発揮しなければならない。
[研究・開発]
- ○ 提言10:情報科学と学術情報流通において優れた研究のハブとなるべく、「情報科学の学術情報流通に関する研究イニシアティブを開始する。
※ 提言は適宜省略して記述しているので、正確には原文を当たられてください。
MITは2014年7月に、「MIT教育の未来」という報告を出しており、これはMOOCの一連の騒ぎの帰結としてのUnbundling of Higher Educationのコンセプトの影響を受け、大学教育をモジュールに分解し、時間に依らないもとし、評価方法もコンピテンシーを示せば単位取得も可能なスキームを設けると謳い、また教室も排除し、廊下もカフェも研究室も実験室も学生寮も全てが学習空間である「アカデミック・ヴィレッジ」を目指すとするなど、話題を呼んだのですが、それに比べると、こちら大学図書館のレポートは抽象的な表現でおとなしくまとまっている印象があります。
しかし、これだけ研究プロセスのリアルタイムのサポートを明確に打ち出した大学図書館の報告は他に類を見ず、オープンサイエンスに向けての流れをくみとったレポートであると言えると思います。
船守美穂
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