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Turmoil over sex worker stall at Brighton university freshers' fair
英・ブライトン大学の新入生歓迎フェアにおいて、セックス・ワーカーをサポートする団体「Sex Workers' Outreach Project Sussex (SWOP)」がブースを構えたことについて、「恥ずかしいこと極まりない(beyond disgraceful)」との批判が沸き上がり、大学当局はこの事実を調査すると発表しました。「大学としては、学生に売春を勧めない!」とのことです。
批判を強くしたのは、フェミニストのキャンペーンを打ち、また作家でもあるJulie Bindelです。Bindelは、Justice for Womanという法改正グループの共同創設者でもあります。「これは、恥ずかしいこと極まりないです。売春が当たり前のものとみなされ、生計を立てる上で無害で尊敬されるべき職業であるかのように女性に斡旋されると考えただけで、怒りがこみ上げてきます。大学はこれについて調査すべきです」。
SWOPは、売春を勧めているわけではないと主張しています。SWOPは、「先入観なしに、サポートと助言を提供」するとしています。「我々は、学生がなぜ売春への一歩を踏み出すことがあるかの理由を知っています。これらの学生は一般学生に比べて傷つきやすく、物理的あるいは法的な危険性を回避できるように、助けを必要としています」。
SWOPの活動を支持する大学関係者もいます。サセックス大学のジェンダー・スタディーズの教授Alison Phippsは、SWOPの活動に感謝しているとしています。リバプール・ジョンムーア大学において性産業を研究している講師Gemma Ahearneは、SWOPの活動は素晴らしいとしています。
ブライトン大学学生会館(student union)の大学経験担当副会長であるParker Robinsonは、「困ったときに、助けを求めることのできる団体があるということを学生が知っているということは、良いことである」としています。「セックス・ワーカーになるように勧めているのではなく、既になってしまっている学生をサポートし、より安全な場所に導こうとしている」とツイートしています。
同大学学生会館の会長で、今回のイベントを企画したTomi Ibukunは、「SWOPの専門的なサポートの存在を学生に周知し、必要なときには頼ることができるように、新入生歓迎イベントでブースを建てることを許諾しました」。「売春を一つの選択肢として新入生に売り込んでいたわけでは決してありません。そのように間違って受け止められたのは残念です」。
ブライトン大学当局は、「この新入生歓迎イベントは、学生が学生のために実施するイベントであるため、学生会館の主催となっています。とはいうものの大学当局としては大学当局としては、学生会館がSWOPを参加させた意図をより深く理解し、今回のような極めてセンシティブで感情的問題(sensitive and emotive issue)が学生に対して第三者から提示される場合に十分な配慮がなされるように、調査をするつもりです」としています。
SWOPはイベント中、「6人に1人の学生が、売春をしている、もしくはしようとしています。私達は、サポートを提供できます」とツイートしていました。
[The Guardian] (2018.9.30)
Row over sex workers' support group prompts university investigation
[BBC] (2018.10.1)
Sex worker stall at Brighton university freshers' fair sparks row
なかなか難しいですね。売春する学生に対してケアを提供する団体がブースを建てることについて「恥ずかしいこと極まりない」とする意見も分かりますが、一方で、「6人に1人の学生が、売春をしている、もしくはしようとしている」のであれば、こういう団体の存在が学生に知られていることが望ましいという見方もあります。メンタルケアであったり、セクハラ、パワハラ、DVについては、困ったときに連絡できる先が近年はあちらこちらで周知されていますから、売春についてだって、そのような窓口が周知されていても良いのかもしれません。問題は、売春がどの程度一般的になっているかですよね。
SWOPのホームページをみると、「SWOP Sussexは、性産業で働く女性のための慎重で守秘義務(discreet and confidential)を守るサービスです。サセックスでセックス・ワーカーとして働く人々の健康と安全、生活を改善、促進することを目的としています」とあります。電話および電子メールによる連絡先があり、5日以内に返事をするとあります。オフィスに来訪できない方には、訪問サービスもしているようです。「女性が性産業で働くこととなる多様な理由を我々は知っています。我々は、売春をやめるようにと強制することもありません。また、あなたの今の状況や選択について先入観の伴う対応はしません」とあります。健康面や法的な助言などが提供されるようです。
Sex Workers' Outreach Project Sussex
新入生歓迎フェアでブースを建てるのは刺激的だったかもしれませんが、ちょっとしたチラシなどを生協や大学の学生窓口等にさりげなく置いておくというのでも良かったのかもしれませんね。
船守美穂
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