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UC Berkeley to delete more than 20,000 contents from YouTube

2017.03.06

「米国司法省からの勧告に従い、現在Youtube、iTunesU、同大学のwebcast.berkeley上にある2万点以上のオーディオと動画コンテンツを3月15日以降削除する」とUC Berkeleyが3/1にアナウンスしました。
米国司法省は、これらコンテンツが障害者により利用できるようになっていないため、Americans With Disabilities Act(障害を持つアメリカ人法)に違反していると昨年8月に勧告していました。
これらコンテンツが字幕やスクリーンの機械解読性等を担保していないという、Gallaudet大学の二名の教職員からの苦情を受けてのことです。

UC BerkeleyのCathy Koshland副学長(学部教育担当)はこれら2万点以上のコンテンツについて対処する費用がかかりすぎるため、これらコンテンツを削除するという形で対応する可能性があることを昨年9月に発表。しかし9月段階では、可能な限り違うかたちで対処する方策を探るとしていましたが、半年の検討を経て、コンテンツを削除するという決定に結局なりました。
大学からの声明では、これら3~10年前の古いコンテンツをUC教職員や学生しかアクセスができないCAS/CalNet認証のもとに置き、新しく制作するコンテンツについては障害者へのアクセスを持たせるとしています。
CAS/CalNet認証では、障害を有する者も含めてバークレーの構成員にきめ細かく対応できること、かつ、このようにした方がバークレーの知財を無断で利用する者から教職員を守ることができるとしています。
このコンテンツ移動の作業は3~5ヶ月かかり、これらコンテンツを利用している教職員には個別に連絡がなされています。

なおバークレーのedX(大規模公開オンライン講座MOOC)上のコンテンツも司法省から勧告を受けていましたが、これらについては障害者へのアクセスも可能なようにするとしています。

[Inside Higher Ed] (2017.3.6)
Berkeley Will Delete Online Content

[Berkeley News] (2017.3.1)
Campus message on Course Capture video, podcast changes

[Inside Higher Ed] (2016.9.20)
University May Remove Online Content to Avoid Disability Law

うーん・・・。苦渋の決断でしょうね。バークレーのリベラルさを考えても、障害者のための法を遵守するために、一般の人についてもコンテンツへのアクセスを奪うという道は選びたくなかったはずです。実際昨年9月の段階では他の方法を可能なかぎり模索するとしていましたし。
またKoshland副学長にはプロボスト時代にお話したことがありますが、とてもキチっとした厳しい感じ、だけどヴィジョンは見間違えない方で、この人の力でも及ばなかったか・・・と嘆息してしまいます。

時期も悪かったのでしょうね。現学長であるDirks氏は昨年夏、キャンパス教職員から不信任を突きつけられ(1億ドル以上の損失をつくり、さらにマネジメントをするつもりが全くなく、知り合いの表現では「lazy duckだ!」とのこと)、執行部は現在、プロボストが学長代理をし、財務担当副学長および戦略&施設担当副プロボストは不在、研究担当副学長はセクハラ問題で辞任し昨年1月からPaul Alivatos(化学教授)が担当するというような、ボロボロの状態でやっています。学長がしっかりとしたリーダーシップがとれれば、対外的な働きかけをもう少ししっかりできたのだと思います。
(なお現在研究担当副学長のPaul Alivatosが次期学長としての最有力候補のようです。Dirks学長がもともと私立のコロンビア大学の副学長兼教養学部長であり、州立大学運営のセンスが全くなかったことから、次期学長は学内からという声が強いとのこと)

この障害者のための法をみると、第二条において、公的機関が障害者を差別することを禁じており、提供するサービス全てについて配慮しなければならないとなっています。 Youtube上のコンテンツなどの多くは大学としての公開ではおそらくなく、教員やTAの独自判断(たとえば講義を録画し、欠席した学生が見られるようにし、ついでに万人が見られるようにした)のものですが、バークレーという名前が含まれてしまうと、「公的機関」が提供したコンテンツとして判断されてしまいます。

それにしても、障害者に配慮するために、一般人もコンテンツにアクセスできなくなってしまうとは・・・。他の州立大学のコンテンツもこれから削除されてしまうのでしょうか・・・・。
この初めの苦情を申し立てた障害者2名の方々、よほど不満をため込んでいたのでしょうね・・・。

船守美穂