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COS: "Psychology" concept ― A high-prestige, community-based journal

オープンサイエンス・フレームワーク(NIIで利用予定の研究データ管理向けプラットフォーム)を構築しているCenter for Open Science(COS)が心理学の分野で、権威あるコミュニティベースの学術雑誌「Psychology誌」のコンセプトペーパーを発表しました。現在意見募集中です。

Psychology: A high-prestige, community-based journal Concept Document, February 2017

現在の学術雑誌の以下のような問題に対応し、心理学の分野においても、他分野で行われている学術出版の新しい試みをし、学術情報流通の革新に寄与しようというものです。

  • ・ 現在の学術出版は印刷体をベースとしており、出版後の論文修正等に対応できないものである。
  • ・出版までの期間が長い(677日かかったという例もある)
  • ・査読プロセスが、インターネット普及以前のモデルであり、エディターが任意に選んだレビューアーが査読を一回のみ行う。リジェクトされると、このプロセスが何回も繰り返され、皆の時間を奪う。さらに査読は秘密裏に行われ、査読社も評価されることがない。出版後の評価を加える方法もない。
  • ・出版と評価(査読)が不必要につながっており、迅速な出版や、オープンレビューなどの機会を逃している。

新しい学術雑誌のKey Featureとしては、以下が上げられいます。

  1. 出版と評価は別に行う。
  2. 著者はライセンス権を留保する(cc0, cc-byなどがPsychology誌では付与可能)。
  3. 査読はオープンで、オプションで匿名とできる。
  4. 受理された論文にはスコアが付与される。その際、その雑誌の権威によるベーススコア(A, A-, B+等)と、論文のスコアの合算でスコアは付与される。
  5. 著者はいつでも、改訂、再投稿ができる。
  6. Psychology誌は多様な下位分野や論文形式に対してオープンである。(個人やグループがいつでも下位分野の雑誌を提案できる)
  7. 付帯情報が登録されており、利用可能である。(研究実施前に、リサーチクエスチョンや背景、研究方法などを登録することが望まれる)
  8. Psychology誌は学術出版とコミュニケーションにおいてイノベーションを促進する。
  9. Psychology誌はメタサイエンスにおけるイノベーションを促進する。

どうやら、最近リリースしたOSF Preprintsをベースとして実現することを考えており、open post-publication reviewのための「コメント付与」機能を近日中にリリース予定なのと、まだ査読システム実現のための全体的なモデレーション機能を構築中のようです。

A group is exploring whether to launch an open, community-based, high-prestige psychology journal (6 page concept document):
https://docs.google.com/?/1SXaxtgkdJG-ZZ_7uiWx-HsnPpc?/edit?

Interested in this as an author, reviewer, editor? Your feedback is needed to see if there is sufficient community enthusiasm to do this (1-min survey):
https://docs.google.com/?/1FAIpQLSfpy4WWeVYQWJs45-?/viewform

この情報はドイツのオープンサイエンス系メルマガから数日前に得たものですが、肝心のCOSのHPでは見当たりません。この文書のマイルストーンによれば、2017年2月にはすでにfounding committeeとfounding editorial teamを決めるとあるので、もしかしたらすでに時遅いのかもしれませんが、でもコメントがある場合はぜひ、上記リンクの1-min surveyをトライしてみて下さい。

船守美穂