第5回北陸地区学術データ基盤セミナー参加報告
2025年9月26日、北陸研究データ基盤コンソーシアムの企画による第5回北陸地区学術データ基盤セミナーが、金沢大学とNIIの主催で開催されました。過去のセミナーは、金沢駅からバスで40分程度の角間キャンパスで開催されてきましたが、今回は駅至近の「近江町いちば館」にある「近江町交流プラザ」が会場でした。観光客にも大人気の近江町市場に隣接しており、セミナー参加者は、それぞれ充実したランチタイムを体験できたと思います。

当日のプログラムは、北陸研究データ基盤コンソーシアムのページをご覧ください。NIIからは、RCOS中野、相沢、江川とコンテンツ課の末田係長が参加しました。


同コンソーシアムは、これまでスクール形式のセミナーを中心に開催してきましたが、今回は、午前と午後にそれぞれ1時間弱のワークショップが企画されていました。40名弱の参加者は4グループに分かれ、「ポリシー策定について/実施細則等の実効的ルールについて」「オープンアクセス・データ公開への取り組み」というディスカッションに臨みました。どのグループも打ち解けた雰囲気で、熱心な議論が展開されていました。
江川の参加したグループでは、小規模な公私立大学から、まだまだ「何をしてよいか分からない」「予算や人員がない」という悲観的な声が多く上がりました。今ようやく機関リポジトリの構築を開始したところ(JAIRO Cloud利用申請中)だが、学内には科研費を獲得している研究者がいるので、即時OAに対応していかなければならない、という公立大学の図書館員の方の話も聞きました。また、このセミナーの案内で、2025年度中に研究データポリシーの策定が求められていることを初めて知って、急遽対応を検討し始めたという大学の報告も聞きました。一時期、中間報告で国立大学の状況だけが取り上げられていた経緯もあり、公私立大学では研究データポリシーが自分事と認識されていない状況があるようです。
近年、NIIも事業イベントを通じてユーザとの対話を進めていますが、このように地域に根づいた公私立大学の実態を把握し、その課題に対応することは、必ずしも十分にできていません。それを補う意味で、データエコシステム構築事業を通じて開設された地域コンソーシアムの役割は重要と考えます。今回のセミナーには、北海道、東北、中国・四国のコンソーシアム関係者も参加していましたので、持ち帰った事例や課題を、各地域の支援や協働の取り組みに生かしてほしいと思いました。

当日のディスカッションについて、もう少し詳細を報告すべきところですが、今回は現場の口頭発表が全てで特に記録が共有されていません。これについて、何らか記録を共有する工夫をしては?という提案もありましたが、逆に、記録を残さないからこそ話せる話もあるのではないか?という意見もあり、どちらにも納得できる点があって、考えさせられました。
金沢大学の長井先生、横浜国立大学の松浦さんによる話題提供も、今回は配信なしということで、いつもより自由度の高い発言が混じっていたかもしれません。松浦さんによるGakuNin RDMの紹介は、ユーザ目線で機能が整理されており、NIIの標準的な説明よりも分かりやすいのではないかと感じました。金沢大学附属図書館の押見さんの発表は、「オープンアクセス」という概念が登場してから、その普及・理解促進のための取り組みを振り返ったものでした。当初は、ほとんど教員に知られていなかった「オープンアクセス」が、今日それなりに定着したことを考えると、RDMやオープンサイエンスも、いつかはそうなることを期待して、普及に取り組んでいきたいと思います。
(江川 和子)
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