TNC国際会議参加報告
今年は、久しぶりにTNCに参加してきました。TNCとはTERENA Networking Conferenceの略で、TERENAとはTrans-European Research and Education Networking Associationの略です。それぞれの国には、NIIのような学術ネットワークやそれを活用したITサービスを提供する機関があります。その機関のことをNRENといいます。NRENとは、National Research and Education Networkの略です。略の説明ばかりで恐縮ですが話を戻しまして、TERENAとは欧州のNRENの連合体でした。2015年にTERENAからGÉANTに名称を変更したのですが、年次大会であるTNCは、そのまま名称を引き継いだという経緯があります。
私がTNCに初めて参加したのは2009年です。本年度からRCOSのメンバーになってくれた片岡さん(写真右の一番右)と一緒に参加しました。私(写真右の一番左)のとなりは、米国のNRENであるInternet2から参加していたケンさんです。学認を始める際には、米国でのノウハウを共有頂き大変お世話になりました。TNCの会議などを通して、各国で学術認証フェデレーションの担当者と知り合い、技術や運用のことを教えてもらったり助けてもらったりしながら、今の学認を築いてきました。私はその後に学認を離れましたので、ここ10年ほどはTNCには参加しておりませんでした。春からはRCOSのセンター長を離れ、RDCだけではなく認証などの活動も支援することになりましたので、久しぶりの参加となりました。

TNC2009のオープニング

TNC2009のレセプション
そのため、今回のTNCへの参加の目的は、認証の動向に関するキャッチアップと、研究データ管理やオープンサイエンスをTNCはどのように扱っているのかをみてくることにありました。写真を比較してみますと、TNC2009の素朴さとTNC2025の派手さの差が際立っています。旧友との再開を楽しみながら、情報収集に勤しんで参りました。認証については、思いのほか日本の状況とギャップを感じました。その1つは、永続的なIDについてです。学生や教員が所属機関を移動しても同じIDでサービスを継続的に利用することができる、eduIDという仕組みが最近では広がりを見せています。通常の所属機関の認証システム(IdP)と組み合わせて利用します。eduIDの導入は、特に北欧で進んでいるようでした。永続的なIDでサービスを持続的に利用する仕組みは、NII RDCでも必要とされています。我々がキャッチアップしなければならない、新しい認証の機能だと言えます。
以前のTNCのプログラムは、ネットワークやセキュリティ、クラウド、認証が殆ど全てだったのですが、今ではEuropean Open Science Cloud(EOSC)の話題があちこちで聞かれます。今年は、EOSCがEU Nodeという新しいサービスを形成するという大きな転換期でもあります。それに対するNRENの寄与が、議論の対象となっていました。特に、利用者の認証機構とデータを分析するクラウド環境を、EOSC EU Nodeで提供する手段について、積極的な議論が展開されていました。11月にはEOSCシンポジウムがありますので、そこでは逆にNRENの視点からの話題提供があるものと想像されます。そうしたEOSCとNRENの発展的な関係の中で、NII RDCがどのように欧州との相互運用性を担保していくかが鍵になります。今後も世界の動向を常に追いながら、日本の機関や研究者に最適な環境を提供できるように、事業を展開していかなければと強く感じた今回の出張でした。

TNC2025での派手になったオープニング

展示ブース

久々過ぎて10年を感じた友人

熱いパラレルセッションの様子
(山地 一禎)
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